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3/11/2005

[Book] となり町戦争 

となり町戦争 @ WEB本の雑誌

 なんか最近話題らしいので買って読んでみました。


ある日届いた「となり町」との戦争の知らせ。だが変わらぬ日常に、僕は戦時下の実感が持てないまま。それでも“見えない”戦争は着実に進んでいた。「清澄な悪夢」「傑作」と選考会騒然の衝撃作! 第17回小説すばる新人賞受賞作。


 となりの町との戦争が、町の活性化を目的として町政として行われるという、というシュールで不条理な状況を描いた小説 --- と書くと、なんか押井守あたりが書きそうなゲリラ戦日常ドタバタみたいなのを想像するかもしれないが、実は全然違う。

 戦闘とかを眼にすることも無く、実感を持てぬまま、戦争(とそれに纏わる行政手続や行政の論理)に巻き込まれていく主人公。
 町政としての戦争。それが官庁の指示指導の下で行われていたり、戦争関連事業として企業がアウトソーシングしていたり、などなどが描写される一方、戦争らしさを主人公も感じないし読者も感じないといったあたりのアンバランスさが、なんかこぅ、不謹慎なおかしさを醸し出しているように思った。
 読んでいて、なんとなく初期の村上春樹の作品みたいと思ったりしたのだが、どの辺がそう思わせたのかなぁ。

 湾岸戦争以後のビデオゲーム的戦争とか、昨今のイラク自衛隊派兵とかに絡めて論評することも可能なのかもしれない。が、私自身はある種のSFのように不条理な物語をそのまま楽しめたので、それで良し。仮に映画化されるとしても、お涙頂戴的なウェットな仕上がりでなく、ヌーベルバーグ映画のように淡々とした感じで撮って欲しいなぁ。

3/02/2005

[Movie] Intermission 

Intermission @ IMDB
ダブリン上等! @ goo映画

 映画「ダブリン上等!」を見てきました。Sillyな犯罪コメディが好きなら必見の映画と言えよう。個人的にはお気に入り度が高い。

 様々なダブリン在住の負け犬たちが、さまざまな成り行きの末に人質を取って銀行強盗をするのだが…という感じのストーリー。犯罪コメディ、と上では書いたが、実のところ「ラブ・アクチュアリー」みたいな恋愛群像コメディととらえた方が実はしっくりくるのかも。なぜ銀行強盗計画が失敗するのか、という下りが特に可笑しいのだが、ネタばらしは出来ない。是非とも自分で見て頂きたい。
 主演はコリン=ファレルということになっているが、映画のオープニングでちょっと目だつだけ。他の俳優の方が役柄も美味しいし、登場時間も長い。
 難を言えば、映画音楽ですかね。もうちょっと映像にうまく音楽を合わせてもよかったかも。

[Movie] Agents secrets 

Agents secrets @ IMDB

 映画「スパイ・バウンド」の感想。

 ヴァンサン・カッセルとモニカ・ベルッチの主演のフランス製スパイもの。
 スパイもの映画としては及第点ではある。ル=カレ的なスパイの世界の非情さとか悲哀とかも描けているし、ディテールの描写とか、Shadowrunやガンドックといった銃撃戦ものRPGを遊ぶ上で参考になると思う。
 ただまぁ、なんかこぅ、映画の最後にオチが無いのだよな。淡々と描いて淡々と映画が終わってしまうと言うか。フランス映画的では有るのだろうが。

[Movie] Kung Fu Hustle 

Gong fu @ IMDB

 時間がなくて放置してましたが、「カンフーハッスル」の感想を。

 今までの彼の映画に比べると、チャウ=シンチーの映画にしては、非常にストーリーが整理されて判りやすい映画になっていたよなぁ、と思う。なんていうか、「少林サッカー」はUS上映は難しいようにも思うが、「カンフーハッスル」ならちょっとはましかなぁ。

 「努力・友情・勝利」という言葉があるが、チャウ=シンチーの映画には、勝利はあっても努力とか友情って無いよなー。一応、主人公は改心する→菩薩が出てきて力を、という感じではあるのだが。

 新春初笑い映画としては満足。

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